最近、友人が撮影カートを自作したのを見て、筆者も作りたいと思ったのである。これは2018年に執筆されたノート「マグライナー:タッチライナーの作り方」という記事を参考にして、現在2024年のフォーマット版として製作したものである。

 

本Tipsでは予算40,000円で自作する方法を紹介していく。

 

 

 

そもそも、マグライナーとは

そもそもマグライナーとは、撮影専用カートを製作している社名である。すなわちマグライナー社なのだが、その認知度から撮影台車=マグライナー(通称:マグ)という言葉が浸透しているほど有名である。

 

大きなタイヤを保有し悪路やオフロードでも移動出来るし、堅牢なボディを備えるため、高価な撮影機材を運搬するカートとして絶対的な安心感を誇る。

 

しかし、撮影専用品だけあって非常に高価で、小さいものでも20万円〜30万円ほどする。

 

 

 

下記より作り方を紹介する。

2024年現在は物価の高騰からか40,000円ほど掛かるが、それでも本家の1/6くらいの価格である。

 

尚、作り方は非常に簡単

 

4万円で作るマグライナー

 

 

 

作り方は簡単。ミナトワークス製の台車を2つ買って、組み合わせるだけである。

 

 

 

ミナト アルミ台車 MTA-100N (ノーパンクタイヤ/アルミ板張り仕様/コンテナ4個用/荷重100kg)

 

参考にした2018年の記事では12,800円だったが、現在は19,800円まで値上がっている。

 

(注意点)

 

・amazonにも似たような台車が販売されているが、持ち手を繋げるパイプ受けが2箇所しかないものが多いから注意。4箇所ないと組み合わせることができない。

 

・また、パイプ受けの溶接精度が低いものが多いため、やはり一応でも国内流通しているものを選ぶべきだと思う。

(尚、パイプ受けの溶接精度の低さにより、大変な改造を経た方も存在する

 

 

 

 

 

 

片方の台車に取り付いたタイヤを外す。

 

前輪はネジで取り付いているためレンチがあれば簡単に外せる。

後輪は切断する必要がある。

 

 

 

アルミパイプの部分なので金切鋸で簡単に切断出来る。

おすすめはTakagi製の金切鋸。

 

切断した後は金属用ヤスリで切断面を整えよう。

 

 

尚、筆者は趣味で行なっているDIY用のディスクグラインダーで切断。

 

 

 

 

あとは工具不要で取り付けていくだけで完成する。

 

パンチカーペットを貼るとそれっぽくなるが、ここからは改造次第である。

 

 

 

 

 

カスタム改造

 

ここからは筆者がカスタムした、筆者なりの完成版を紹介していく。

 

 

◾️ 天板の取り替え

 

 

筆者が購入した台車のうち1つが、目に見えるほど溶接が雑で、天板が歪んでいた。天板のアルミのサイズが合っていない状態で無理くり溶接したような精度だった。

 

なので、外して交換することにした。

 

 

溶接された箇所に金切鋸を差し込み切断していく。スポット溶接のため接続箇所が少なく、切断は容易。

角に関してはドリルで溶接箇所を掘削して、最後は無理やり外した。

 

 

 

外したアルミ板の代わりに天板を製作する。

今回は8mm厚のコンパネを購入し、内寸の通りの大きさに切り出した。

 

 

 

筆者は自分で切ったが、ホームセンターでお願いすれば100円〜200円程度で切ってもらえるため、ホームセンターで切るのがおすすめ。

 

 

 

仮置き。

ぴったりサイズである。

 

 

ゴリラグルーで接着したが、両面テープでも良かったかもしれない。

 

 

メタルプライマー(金属に塗装するための下地材:これが無いとスプレーを弾く。今回はミッチャクロンを使用)を塗布した上で、アルミ用のスプレーで塗装する。

 

スプレー塗装は案外と難しく、筆者は4度塗りした。

薄く薄く塗っていくのがコツ。

 

 

 

 

パンチカーペットをゴリラグルーで固定する。

パンチカーペットは1,100円くらいだった。

 

また、元記事を参考にL型クランプを取り付ける。

これで長いもの(スタンドや一脚など)を載せることもできる。

 

 

 

元々取り付いていたネジはM8、長さ1.7cm程度なので、M8のアイボルト(1つ120円程度)に変更した。

 

 

 

これでテープなどを引っ掛けることができる。

 

 

完成(ステッカーは会社に落ちていたカッティングステッカーを貼った。言葉に意味はないが、アクセントとして貼った)

 

完成

 

フレームを黒色に塗装したため、本家マグライナーにかなり近付いたと思える。

 

見た目よりも遥かに軽量であり、それでこそしっかりしたカートになった。

もちろんこのまま乗せることも用意で、ギリギリだがヤリスにも乗る。

 

乗らなくても、ネジ止めで用意に外せるので、コンパクトにして持っていくことも可能

 

 

 

最後に。

 

マグライナー使い=プロの証だと考えていた35歳の筆者にとって、本格的な撮影カートは憧れだった。

カートがあると本当に撮影がしやすくなる。

 

マグライナー自作をした先駆者の方には敬意を表したい。

 

 

 

 

購入したもの・使用した工具

製作に役立ててください(カスタム用)

 

・ミナト製台車 x2

・8mm厚 コンパネ(73cm x 53cm)

・メタルプライマー(ミッチャクロン)

・アルミ用塗料(黒スプレー)

・L型クランプ x2 (15cm長)

・M8アイボルト(17mm)x2

・カナビラ x2

・パンチカーペット (73cm x 53cm) x2

 

・グラインダー

・金物やすり

・レンチ

・ゴリラグルー or 両面テープ

 

 


 

 

筆者 黒沢秋(BLAZENATE COO)

https://x.com/kurosawa00aki00

 

撮影部・録音部・MV監督として活動するクリエイター。

趣味はDIYで、機材棚やレールなど、撮影サポート用品を自作するビルド系クリエイター。